比翼の鳥

 深大寺のお茶会に、塩瀬に比翼の鳥の模様の帯を締めていきました。バブルがはじけて一気に不景気になったころ、知り合いの呉服屋さんからまとめていただいた中の一つですが、品の良いものが多くて皆さんからお褒め戴くものです。

 帯は背中にありますので、存在を忘れがちですが、ドーンと意味をなしているんだなと、こうやって写真撮ってみると物語を感じます。

「天に在っては比翼の鳥となり、地にあっては連理の枝とならん」白楽天の長恨歌の中の有名な一節ですが、学校で習って何十年にもなるのになぜか強く覚えているのです。

マレーシアから来た新婚カップルに着物を着せた時、新妻に帯の模様について聞かれ、その時は黒地に竹の模様で、中が華やかに彩色されている帯でしたが、予期せぬ質問にしどろもどろになりまして、それからは帯の模様についても調べておかないとと反省しました。

銘仙など着物の写真や広島の写真集出している石内都さんが、着物って私有するものじゃない気がする、誰かに手渡すものと言っておられましたが、私もそう思うところがあり、だから特に外国の方に着てほしいと思っています。