お彼岸のホスピタリティ

 お彼岸にはおはぎを作り、ちらし寿司や煮物やいろいろご馳走を用意してお客様をもてなす、昔の家庭ではそうだったような気がするし、今も子供や孫が遊びに来るからいそいそと準備する方々も多いでしょう。我が家は残念ながら孫もいないし今は親戚も来ないかわり、外国のお客様が沢山いらっしゃいます。ちょうどお彼岸の時期、おはぎとか皆さん食べるかしら?

昨日は一日雨で肌寒く、着物着て柴又行けるかわからず、午前中は気が重くテンションが上がらずにいました。頼みの主人は仕事で二時過ぎまでいないし、一時にフィッシャーマンレインコート着て現れたスロバキアのフリーデザイナーJanaと、髪をピンクにカラーリングしたニューヨークで働く可愛い中国の看護師のSerena,マレーシアのヤングカップルを着付け、髪を結いながら外に行こうか行くまいか悩んでました。

 うちの中だけならいろいろな種類の着物を着せられるけれど、今までのレヴュー見てると着物着て柴又行ったゲストの方がかなり喜んでいるので、やっと帰ってきた主人が刀や弓を用意してゲストの写真を撮り、茶道もゆっくりやったあと、小降りになったので傘さしてみんなで柴又に出かけました。

 厚手の浴衣に襟をつけ、足袋履いて下駄履いて夏っぽくないようにしてみたのですが、まず高砂のエレヴェーターで一緒になったおばさまに褒められ、お彼岸で帝釈様に来ていたおばさま達に褒められ今日は何だろうと思いながら、お寺では濡れたすのこの上にタオル敷いたり、できる限りゲストも着物も濡れないよう頑張りました。

 いつも行く団子屋さんでは秋になったので、新作の栗団子、紫芋団子などあり、ゲストたちは温かいお茶を茶道の作法通りくるくる回して飲みながらおいしそうに食べてましたが、寒いせいかそこで全員トイレ行き、さあこちらはあとを追いかけ着物の裾たくし上げたり帯直したり、ほんとに今日は付き添いのばあやでした。

 帰って着物脱いで駄菓子を色々食べ、スロバキアのJanaが「ああ面白かった」といって帰って行きましたが、その晩マレーシアの彼とニューヨークの看護師さんから温かいホスピタリティーが本当に嬉しかったとレビューがきました。

 凄い言い方ですが、これが私の仕事です。介護福祉士の資格を八年前に取った時実習で介護施設に通い、役割は認知症の入居者さん20人くらいいるフロアでコミュニケイションをとることでしたが、私はこれが結構好きでひらひらみんなの間を歩き回りながらいろんなこと話しかけていましたが、なんとそれが、今外国人と歩きながら話している時と同じ話題なのです。「趣味は?」「何年生まれ(干支)ですか?」「お母さんは何歳ですか?」私の頭の中味はその時と全く変わりません。

 でも帝釈様の彫刻に関しては予期せぬ質問が続くので、ネットでいろいろ調べ英語に直していたら、すごいこと言っている時があることに気が付きました。阿吽について。宇宙のはじまり そして宇宙の終わりだと。言っちゃったけど大丈夫かしら。日々葛藤しています。