フランスのカールから長いレビューが届きました。
"When I booked this experience for me and my
friend, I was a little bit concerned it could be something a little bit fake, tailored for tourists who want to wear costumes without any culcural background. But the
experience proved to be really authentic and interesting."
明るいブルーに染め直した結城紬の単衣を着た、長身で細身のカールがお寺の庭園で友達のベロニカと写真を撮り続けている姿は、正直ありえない光景でした。呉服屋さんが、こんな良いものをレンタルで着せるのですかとあきれていたけれど、爽やかな五月にゲストとして来たカールはこの着物を着るべき人でした。着物についての細かい説明もできなかったけれど、着心地の良さ、光沢、肌触り、写真映えする色、それを全部味わってくれたカールに心から感謝しています。
Ikuyo and her husband are really kind and
caring people who make their most to convey their love for the japanese culture.
日本文化への愛を私たちが伝えようとしていることを、カールはすぐ感じてくれた、日本人に伝えるより楽なのはなぜなのでしょう。
私の体験は、一期一会の表現手段という気がしてきています。すべてのものがコーディネートし合いひと時の文化空間を生み出す、Fakeでないもの、本物の文化は愛なのかもしれません。でもいいことばかりは続かない、いろんなアクシデントがあり悪いことが起こる、でもそれも受け止めなければならないことだし、スランプや壁の向こうにしか見えないものもたくさんあります。
予約が途絶えてしまって(昨日やっと一つ入りました)どうしようかと思っていたら、新聞に大量生産で消費者の平均像しかすくえないマス向けビジネスが転機を迎え、多少値段が高くても自分らしい商品を求めるスモールマス市場が台頭してきたと書いてありました。「ターゲットは徹底的に狭く絞る」「賛否両論あっていい」「100人に1人が支持してくれればいい」という合言葉のスモールマス市場の開拓を支えるのは、個人のニーズを吸い上げるデジタル技術の進展と資本を持たなくてもできる水平分業の広がりであり、変化に敏感に反応する企業が生き残る世界だそうです。
これまでIT社会は世界は一つという「ビッグワールド」を前提に語られてきましたが、無数の小さな世界で構成される「スモールワールズ」を提唱する企業も増え、大きなものに依存せず、自立することが未来社会のビジョンとすれば、一番小さい単位ですがわが家を異文化交流の拠点として使う方向にもっていきたいというのが今の願いです。
共に生きていく価値観、物事の本質に向き合い、原点から考え、考え抜いて戦うこと。文化を感じられる感性。答えを探すだけではなく、問いは何かを考えることが重要なのです。
世の中にはいろいろなフェイクがあります。それを知っている上で来てくれたカールとベロニカ。私がもっとコミュニケーションとれればいいのですが残念ながらここまでです。でもこれからこういう話ができるのは日本人ではなく、これまで来たゲストの外国の方々なのでしょう。フェイクについて。そして二つの月について。静かなこの期間、いろいろ試みてみます。