グルテンフリー

 このところ、ハワイの方の予約が増えてきました。ハワイは物価がとても高いという話を良く聞くのだけれど、それでも日本や中国の観光客は多いようです。昨日のゲストはラストネームがGotoだったので、日系の方かしらと思っていたら、12時頃下見でうちの前に現れたのは小柄なママと日本人のようなすらりとした娘さんで、これからランチを食べてまた戻って来るとのこと、体型を見たので単衣の着物をいろいろ並べ、娘さんにはうちの中で振袖も来てもらおうと準備していました。

 スーパーの前のキッチンカーでケバブを買って食べ、花屋さんに並べてある鉢植えのユリをプレゼントに持ってきてくれた二人は、二週間の旅で酒の試飲をしたり築地で海鮮を食べたり東京を楽しみ、明日ハワイに帰るそうです。30歳でステーキのレストランで働くテイラーに「今日はあなたは20歳で、成人式のお祝いの振袖を着よう」と勧めてカラフルな着物を選んでもらっていたら、五十代のママも着たそうな顔をしているので、ママには黒が基調の振袖、テイラーはハワイの花が咲き乱れているような振袖を着せて、たくさん写真を撮りました。

 二人とも独身と言われ、あれっと思ったけれど看護師のママは離婚しているから振袖を着ることができ、そしてフィリピン、アイルランド、スペイン、韓国の血が混じっているそうで、テイラーには日系のパパもいるのです。彼氏は日本と中国のハーフと言われると、もう頭の中がこんがらがってしまいます。振袖でティーセレモニーをしてから単衣に着替え、ママは濃い緑の小紋に紫の鹿の夏帯を締め、小粋で小料理屋のおかみさんのようで、テイラーはベージュの変わった総柄の模様の小紋に素敵な帯を選び、まあ素敵な着物姿でした。

 絽の長襦袢も来ているので暑いらしく団扇で仰ぎながら柴又へいき、着替えに時間がかかって遅くなったので駆け足でお寺の散策をしてたくさん写真を撮りました。娘さんがお母さんのために旅行を計画してあげるパターンの時は、お母さん中心になるのだけれど、今日の二人は私にとても気を使ってくれ、酒もたばこもたしなみ、一生懸命働きながら生活を楽しんでいるし、沢山の民族の血を引いている姿がトータルとして日本人よりも素晴らしい着物姿になっていることに、いつもながら私は驚き、誇らしい気持ちになるのです。仕事となると膝の痛いのを忘れ、アドレナリンが出て4時間突っ走るのだけれど、このところ思うのは膝の裏が痛いけれど原因は体中にあって、昔の病気やケガ、疾患が絡まって一番弱い所に炎症として出ているということ、そしてそれに関連して現代の悪しき食べ物が原因になると書かれ、何とパン類を止めることが必要だとあります。

 グルテンフリーのゲストがいて、御菓子類がすべて食べられないことがあったけれど、現代の小麦は昔とは違っていろいろ体に悪さをしているとあるのだから、このところ朝からご飯に味噌汁、納豆、豆腐、魚を食べています。スーパーに行けばあふれんばかりのパンが並び、値上げされて手に取るとため息が出ていたけれど、みんな食べてはいけないものだったなんて、何ということかと思います。

 翌朝右目に異常が出て、気になるのですぐ眼科に行くと、目の中の血管がつまり少し出血を起こしていると言われ、血圧をその場で計ると200を超えていて、こっぴどく先生に叱られました。死にたくないのなら、かかり付けの内科に連絡しておくから朝一番で行きなさいと厳命され、翌日行くと、高血圧だけなので薬を飲んで様子を見ましょうと穏やかに説明され、新しい血圧計を買っておとなしくしていると、血圧もそんなに高くなりません。一事が万事で、膝の痛みも目もいろいろ関わり合っていることかもしれず、すべてを見直して新しく生き直そうということなのでしょう。親世代を看取り終わりほっとすると自分達の番だったという話を良く聞くけれど、まさにその通りです。すべてを考え、正しいものを正しく食べ、悪しきものをふるい落として行きます。