暑い日が続き今日明日は31度だとか、道を間違えて少し遅れてきた3人の女の子は暑くて疲れているようでした。カリフォルニアから来たのだけれど、全員30歳、カンボジアがオリジンのエリザベスは教師で、大柄なティアは長い髪でやはりカンボジア人ですがあまり初めははじけず、気を使いつつ大きい浴衣を着せ、メキシコ人のブルネラは胃腸が弱くて魚や油物は食べられないそうです。急に暑くなり、イギリス母娘たちは浴衣を着て帯を締めても辛そうではなかったのですが、今日はかなり不調で彫刻ルームに行く前にリタイアして家へ帰ると言い出し、帰り道できゅうりの浅漬け、ミルクアイス、イチゴ大福、くずもち、アジサイゼリーを買って食べたりしたけれど、嫌いだと中味の入ったまま捨てているし、ようよう帰り着いて浴衣を脱ぐと、胃が圧迫されて気持ちが悪かったそうで、ティーセレモニーも断ってすぐ帰りました。
本当に暑かったからしょうがないのだけれど、3歳の子供を残して旅行に来ていると聞くと、なんだか妙な気持ちになります。アシュレイが日本文化の分からない外国人は「豚に真珠」だから関わるなと過激なことを言うけれど、まあそれはそれで仕方がないのだから、この暑さの中でいかに心地よく過ごせるかを考えなければならないと思っています。
お寺で働いている女性に未使用の浴衣をいただき、早速エリザベスが着てくれて、それを見た女性がとても喜んでくれたことが唯一の救いでした。私の体験が自己満足にならないようにいつも注意はしていますが、異常気象の続く世界は危険で、大雨や暑さや環境汚染などあらゆることに注意を払わなければいけない、一歩踏み間違えれば奈落に落ちていく。
暗い気持ちと、はじけない笑顔の写真を見ながら次の日のゲストを迎えました。何処の国の女の子たちだろう。刺青をしてくれるお店を知っていますか?という問い合わせも添えられたメールを見ながら、アダルトチックな子たちを想像していたら、30分遅れで到着したのはコロコロした小柄な体格で顔一杯汗かいた中国とアメリカのハーフのクロエちゃんと、25歳の大柄なメキシコ人のブリンダでした。
きのうのことがあるから、タンクトップとショートパンツの上に直接浴衣を着せて、暑さが増したらどこでも脱げるようにし、帰ってからのティーセレモニーはきついので、最初に写真を撮ってからゆっくりぬるめの抹茶を飲んでもらい、お茶も点てて、それから恐る恐る外へ出ると、昨日より暑くありません。それでもクロエは顔に汗をにじませ、ブリちゃんも大柄な体に絞りの浴衣を着て、電車に乗り柴又に着きました。時々スペイン語を思い出すとブリちゃんに話しかけながら、村上春樹の海辺のカフカやゴッホが好きで、淡々と話しながらとても健全で前向きな彼女に、私は最近のゲストとの出来事や違和感を話し、いろいろ聞いてもらってしまいました。
文化に対する感受性とか、最近たくさん来るメキシコ人は鋭い気がするし、そういえばスペイン人は来ないけれど南米のゲストは多いのです。アシュレイだったら、相手にする人々を峻別しなさいというところです。昨日はとても幸せな気持ちで眠りにつき、いい一日だったと心から思ったのですが、これまで来たゲスト達が「本当に楽しかった」というように、私も「本当に楽しかった」のです。毎日毎日を一生懸命生きて、相手を想い相手に届けられるギフトを増やしていきたい、私は今が一番幸せです。相手もそう思えるように、もっともっと頑張ります。
「go above and beyond 求められている以上の働きをする;与えられた以上のことを行う」彼女たちのレビューの中にこんな言葉が添えられていました。