イギリスの若者

 多国籍のゲスト達が集った翌日は、UKからの20歳のカップルでした。昨日は疲れて足は攣るしどうなるかと思ったけれど、起きて見れば体は動くので、支度をして待っていると、少し遅れてやってきたのは金髪で長身のドミニクとポーランド人の両親を持つオリビアでした。20歳にしては落ち着いていて、ドミニクはイギリス人らしい癖がある気がして、なかなか打解けないタイプです。なぜかいつも背伸びをするようにかかとをつかないのが癖のようで、反対にポーランドのオリビアはちょっと猫背で男っぽく歩き、初めに黒の振袖を着せてもポーズが取れず、セクシーになどというと全く困惑して悩んでいました。孫世代の彼らにとって、私や夫の話は古い事ばかりだし、退屈かなと思い、以前に手伝ってくれた若いはなちゃん辺りがいれば海外の話や留学の話題で盛り上がるのかしらと少しめげながら、いつものコースを辿り、柴又のお寺もなんとなく関心を持ってくれ、京都や奈良へ行った写真を見せてもらうと竹林やシカや猿が写っていて、仏教も抹茶も味わってはこなかったようです。学生でお金もないので、食事などはあまりきちんと食べていないとのこと、駄菓子屋さんで好きに選んでいいよというと、ドミニクは鬼滅の刃のドロップを私の籠に入れてくれました。

 姪の息子君が来た時若いなと思いながら話をして、でも同世代の若者でも話は合うかどうかわかりません。本当に孫を連れてお寺参りに来た感覚で4時間終了、オリビアとはハグしたけれど、ドミニクとはできず、夫と握手して彼らは帰りました。こんな時もある二人で反省会しながら片付け、夜にスマホの写真を整理し始めて、私はびっくりしたのです。重い兜をかぶり、オリビアとツーショットで並んでいるのを横のアングルで撮ったものが本当に素晴らしいのです。普通に撮るとカッコつけるタイプのドミニクが無心に笑っている、ああこれが彼の本質なのでした。前にUKの女の子たちが来た時、自分の国の男性は暗くて癖があって私たちは選ばないと言っていて、そうかもしれないと思ったりしていたけれど、こんな素晴らしい笑顔を彼は持っていて、私のうちの二階で紬の着物を着て鎧を被って、それを惜しげもなく見せてくれている、私はなんて幸せなんだろう、彼の透き通るようなまなざしを見ていると、心が洗われるれるようです。

 明日はドイツとオーストラリアのカップルが来ます。30度近い暑さになるかもしれません。水を持って、うちわを持って、出かけましょう。