フィリピンに一緒に行った方が次々風邪をひいてしまい、私も鼻水とくしゃみがひどく、久しぶりに重症になりましたが、コロナではないので、マスクをしてゲストを迎えています。一番ひどい時、4人の予約があったのですが、ゲストが全く連絡をくれず来なかったので、会社に連絡して対処してもらいながら、私はほっとして一日寝ていました。それでだいぶ体力を回復して、昨日のVIPなゲストを迎えたのですが、ワルシャワ大学の数学教授が早稲田大学で行われる学会に参加していて、合間に夫婦で私の体験に来るというので、正直ビビッていました。数学は好きじゃないしわからない、でもポーランドから来るゲストはこれまで多かったし、ポーランド出身の有名な学者と言えば私の大好きなマリーキュリーがいます。今さらですが、彼女の伝記を読み返し、彼らがあんまり怖くないゲストであることを祈っていました。
道に迷った彼らが日本人の女性の案内でうちの玄関に現れた時、洗いざらしのシャツに短パンにサンダル姿の二人はとても親しみやすくフレンドリーでほっとしながら、風邪をひいているのでマスクをしていることを断り、いろいろ話をしながらどういう風に四時間組み立てるか考えました。日本は初めて、趣味は山登り、二人とも教職で67歳と60歳、子供は34歳のアニメーターの女の子はアメリカに住み、男の子は190センチ以上あります。質実剛健、どちらかというとドイツ系の感じですが、話せる言語はポーランド語、英語、フランス語、ロシア語だそうで、キュリー夫人の伝記に、ロシアの支配下にあった時ロシア語で授業を受けていたとあったことを思い出したりしていました。
この年代だと表彰されたりする時正装して着物で記念写真を撮ることがあるので、パパには紋付きのブルーの単衣、ママには菊の花の青い訪問着を着てもらい、黒澤明や三船敏郎が好きなパパは腰に刀を差して、たくさん写真を撮りました。その後ティーセレモニーをし、今度は浴衣に着替えて柴又に行き、写真を撮るのが趣味のパパはあちこちにカメラを向け、仏教彫刻にもかなり関心を寄せていました。好きな画家はブリューゲルとゴッホ、宗教はカトリックだけれど子供たちはあまり関心がないのはどこの国でも同じようです。
ワルシャワ大学にはいろいろな国から留学生が来ているけれど日本人はいないとのこと、最近の日本人の若者は海外へ出たがらないというけれど、そうなのかもしれません。帰り道、アイスクリームでも食べようかとお店を探したけれどもう閉まっていて、その代わりに試食の並ぶ漬物屋さんで干し梅干しやショウガ、辛子ナスなど次々食べて二人ともいたく気に入り、たくさん買い込んで帰り、ラストのお土産は訪問着を着る時とても気に入っていた袋帯を差し上げました。一期一会、でもママは帰り際「いつポーランドに来る?」と聞いてきました。うーん、何か着物の仕事があれば行くのだけれど…