昨年は京都を観光した翌日に家に来るゲストが多くて、はたして京都に柴又は太刀打ちできるのかという疑問に駆られた私は、暇になった12月に2泊3日で夫とシルバーパスを使って新幹線で久し振りに旅に出かけました。修学旅行の生徒たちが多いのに驚きながら、東寺、知恩院、六波羅蜜寺、清水寺を回り、いろいろな思いや発見をしました。それにしても京都は広くて、自由にスケジュールを組めるのだけれど、遠くの場所へ行くのは面倒で、朝早くいかないと混んでしまう金閣寺銀閣寺はスルー、気になった醍醐寺も行くのはいいけれど帰ってくるのが大変だと諦めました。
昨日の日経新聞に「醍醐寺 国宝展」が大阪で開催されその特集記事が掲載されていて、カメラマンの佐々木香輔さんという方の、寺宝の仏像の写真に強いインパクトを受けました。もしこの展覧会が東京で開かれるなら行きたいところですが、今まで何回か行った仏像展では無機質な空間にライトを浴びて並ぶ仏像には違和感を感じることが多くて、2頁にわたる新聞の特集記事の佐々木さんの写真こそが、私が見たかったものだったことに気が付きました。快慶を撮った彼の写真集をネットで注文し、今日はこれから銀座のグッチへ写真展を見に行くのですが、若い世代のカメラマンたちの被写体に対する感性の鋭さや異次元の表現はとても刺激になり、ゲストの写真を撮る時に意識せず心の映し出されるようなものが撮れたらいいなと思っています。
ハワイの家族がゲストとしてきた時に泊まっていたエアビーの民泊のホスト夫妻が昨日来てくれて、いろいろな話をしながら参考になることが多かったのです。値段の設定によってやって来るゲストの層がずいぶん違うものだと知り、4時間という長い間互いのコミュニケーションを取り続け、心からのトークができるゲストのタイプというのは特殊な気がしています。私は心に闇を抱えていて、生きていくことが苦しく難しい人間だけれど、だからこそ自分を無にして相手の中に入り込み、共有する感情を増やそうと努力して、そして最後に心からハグするのです。
英国を訪問していた天皇皇后両陛下が最後にチャールズ国王夫妻と別れを告げる時、ずっと最後まで会話を続けていた皇后が、自らカミラ王妃とチークキスをし、チャールズ国王とも手を広げて軽く抱き合う姿を見て、私は涙が出ました。皆大きなものを抱えて、苦しんで辛い時期が多かった、だからこのひととき、この瞬間が何よりも愛おしいのでしょう。
ハワイのデイビッドから連続してメールが届いています。彼も色々感じているのでしょう。朝から降っていた雨が小降りになりました。久しぶりの銀座が楽しみです。