アインシュタインの言葉

 朝から晩まで異様な暑さが続いています。最近食材に気を付けるようになり、添加物の入っているものを避けるようになってから買うものが限られてきて、カップラーメンや、パン菓子、加工肉を買わなくなり、国産品でシンプルなものを限定して選んでいます。食欲のなかった夫がだいぶ食べるようになってきて、テレビ番組で大阪のお好み焼き特集を見ているので夕食に作って出すとペロっと平らげ、暑い時にはいかに食べたいと思うものを出すかが勝負だと気が付きました。

 自分だけの食事を作るとしたら、面倒くさくてなかなか手をかけず、一時期安いカップラーメンを食べていたら体の調子が悪くなり、宣伝されて世の中に出回っているものがいかに良くないのか改めて驚くのです。この暑さが当分続くならばどうやって体も心も平常に働くように維持していくか、汚染されていない野菜をシンプルに料理して食べ、養殖されていない魚を選び、麹や味噌や醤油も地方でシンプルに作られているものを料理に加えていると、だんだん舌が敏感になってきて、牛乳も普通にスーパーで売っているものが飲めなくなってきました。酢飯が好きな夫に手巻き寿司を出そうとスーパーでリーズナブルな値段の海苔を買ったら、どうにも嚙み切れず、反省して高級な海苔を買い直し、責任上私はスーパーのものを、夫には高級海苔を出すとあっという間に食べてくれ、今何よりも正しい選択が必要だという事を痛感しています。

 高齢者は長い老後をどういうモチベーションを持って生きて行けば充実した人生が送れるかというユーチューブを見ていると、定年退職後の何もすることがない生活というものがいかに長いか、嘆いているものが多いのです。女性の方が趣味や交友関係を活かして出かけたり楽しんだりする機会が多いけれど、この暑さの中でお洒落をして食事に行ったり旅行に行くのも大変です。イギリスで子育てが終わり、夫と二人で人生を楽しむ国際結婚をした女性のユーチューブを見ていて、自宅を改装し同年代の夫婦たちとガーデンパーティーをしたり旅行に行ったり楽しむ姿は素敵だけれど、どの動画も外食や毎日何を食べるかという内容が多くて、勧められるままに飲み過ぎて二日酔いだけれど、今日も明日も予定が入っているなどとあると、文化的な行事はないのかしらと思ってしまいますが、これがイギリスの高齢者の文化なのでしょう。

 反対に26歳でリヤカーを引いてアメリカ大陸を横断している日本の若者の動画は、酷暑だったり過酷な寒さの中で広大な自然を見ながらただひたすら歩き続け、クマに怯えながらテントを張って自然の気配や音を聞いている姿が写り、これを見る人々の数で収益が上がり旅が続けられ、私達はそれを見ることで勇気づけられ応援したくなるというシステムのある世界には、新しい学びがあると感じています。結局自分ひとりが考え、体験したことを見せる、表現する、現わすという事がすべてになってきています。私の古稀のお祝いの頃に日本に居て、プレゼントを持ってきてくれたゲストのアメリカのジェニファーからは定期的にメールが来ます。プエルトリコ人の彼氏とは結婚まで至らないけれど懸命に毎日を生きている彼女も色々抱えていて、何かのつながりを求めてるけれど、会話でコンタクトをとるのは私には厳しくて、メールでやり取りする方がいいのです。去年来たゲストの娘さんに日本の伝統的な着物や布や髪飾りを送ったことや、人に対して何かをするとか与えるという事がどんなに自分にとって大事かという事を書こうと思っていたら、サイトで「アインシュタインの言葉」というのを見つけました。

「何かを学ぶためには、自分で体験する以上にいい方法はない。学べば学ぶほど、自分がどれだけ無知であるか思い知らされる。自分の無知に気づけば気づくほど、より一層学びたくなる」

「学ぶとは、本当の自分と向き合うことで、大切なのは自問自答し続けることである

「困難の中に、機会がある。人の価値とはその人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる。成功者になろうとするのではなく、むしろ価値のある人間になろうとしなさい。誰かの為に生きてこそ、人生には価値がある」

この世は危険なところだ。悪いことをする人がいるためではなく、それを見ながら、何もしない人がいるためだ。」

「想像力は知識よりも重要で、AI時代においては、知識を基盤としつつも、それを超えた創造力や創造性を磨くことがより重要になるといえる」

「自分自身の眼で見、自分自身の心で感じる人は、とても少ない。何かを学ぶためには、自分で体験する以上にいい方法はない」

 地球を感じたい、それが自分の夢と言って、リヤカーを引いてアメリカを歩き続ける男の子は、過酷な自然の中で一人でいつも自分に問いかけ、考え続けている、その顔は何にも毒されず清々しいのです。パリオリンピックで結果を出す若者たちは、辛い苦しい中で自分を見つめ乗り越えるための強い意志を持ち続けているのに、愚かなマスコミやメディアは人心を惑わそうと悪しき印象操作を続けるのはいつもの手段で、結局大企業や経済や組織が今の危険な世界を作り上げているという事が、危険な暑さの中で明白にあぶりだされています。

 結婚して子供を持つのが夢のジェニファーだけれどなかなか難しいようで、一生懸命働きのんびりする時間を自分に与えないようにしています。肌の色の違う夫と三人の娘を持つアフリカ生まれのシェリルは20代前半で結婚していて、私は彼女に着物を着せて共に過ごした時間に強いインパクトを持ち、それが何処から来るものなのか知りたくて長女のGGに日本グッズの小包を送り、それを彼女がどう受け止め感じるか、これからを楽しみにしています。でも子供は子供でいろいろ悩みもあるだろうし、難しい気持ちになる時に、遠く離れた異国の文化の切れ端がどんな救いとなり、どんな発展になるのか、それは若い子たちの感受性や想像力にかかっている。

 地球を感じるために徒歩でアメリカを横断するなんてなんて突拍子もない事だろう、でもそれは彼自身の創造性を突き詰める表現なのです。人の価値とはその人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる。誰かの為に生きてこそ、人生には価値がある のだとしたら、私はジェニファーやシェリルたちが日本の文化や想いの深さと未知の力を感じ取り、自分達の励みとして前に進んで行ってほしいと思うのです。

 誰かのために生きてこそ、人生には価値がある。そのために己を磨く。道は永遠に続くのです。