ポケモンのグミ

 日本のことにとても興味を持っているお嬢さんをお持ちのアメリカのゲストに、小物や綺麗な長襦袢を入れた小包を送った時に、ポケモンが好きといっていたことを思い出し、柴又の駄菓子屋さんでポケモンのグミを買って一緒に入れようとしたら、重量が微妙に増えて金額が増したため、送らなくて、ずっとカウンターの上においてありました。ウガンダから来た19歳のレイチェルが日本のアニメが大好きだというので、帰り際にグミをプレゼントしたのですが、昨日の夜、デンマーク人のパパからメールがあり、最後の一つを食べているレイチェルの写メとメッセージが届きました。

 タイやネパールなどを旅し、ウガンダに帰って来たとメッセージがあって、長い旅行を終えた後で連絡を下さったパパの心がとても嬉しくて、この前はデンマークの作家の本や映画についてメールしたけれど、今度はデンマークのニッチビジネスがとてもインパクトがあり、大事なのではないかということを書きました。パパからの速攻の返事は「以前の仕事では、さまざまな背景を持つ人々のグループを管理していましたが、あなたの考え方は気に入っています。私たちを隔てるものよりも、私たちを結びつけるものの方がはるかに多いことにいつも気づいていました。」私の体験に来て下さり4時間一緒に過ごしても、英語の理解力不足で、なかなか深い会話は成立しないけれど、後でのメールのやり取りでは翻訳機能も使いながら聞きたいことが聞け、パパのメッセージもゆっくり理解することが出来るのはありがたいのです。何でウガンダの方と結婚しウガンダに住むのかと単刀直入に聞くことはできないけれど、パパがどんな半生を歩み何を考え感じてきたか、とても興味があるし、これまで来たハーフで生まれて成長してきたゲストの苦労も察してきている私は、フランス人とアフリカのブルンジ人のハーフのガブル・ファイユ君の「ちいさな国で」を読みながら ”人は生まれる土地も時代も親も選べない”ということばに強いインパクトを覚えながらも、それはあらゆる人間にいえることなのではないかと思うのです。

 それにしても打てば響くようなパパとのメールのやり取りは刺激的で、プレゼントにさし上げた浴衣をウガンダで着た写真を頼んだら、そのうち送ってくれると返事してくれました。ウガンダ、デンマーク、クウェート、遠い遠い国ばかりです。でも、私たちを隔てるものよりも、私たちを結び付けるものの方がはるかに多いことにいつも気づいていましたというパパの言葉が、今の私には大きな励ましとなっています。