福岡正信さんの「わら一本の革命」

 若い頃自然農法に興味を持ち、講座に通ったり富山の農業団体のイベントに参加したりしていた時、自然農法を実践していた福岡正信さんの「わら一本の革命」という本を読みました。結婚してからは茨城で有機野菜販売をしている娘の友達からずっと野菜を送ってもらたりしていたのですが、夫と二人の生活になってからはそれも止めて、野菜も高くなりあまり買わなくなっていました。70歳になって体調を崩しがちになり、これではいかんと一念発起して日本の伝統的な食生活を目指し、添加物の入っていないものを厳選して、手作りのものを増やし、酒粕を買ってきて魚の粕漬を作ったり、米粉のクッキーを焼いたりしています。

 村上春樹つながりのできたデンマークパパからメールが届きました。読書について、イギリスの読書クラブで日本人作家の短編集を読んだことがあり、川口俊和さんの「コーヒーが冷めないうちに」と澤西祐典さんの「砂糖で満ちていく」だとあって、彼らは若いし私は読んだことが無くてなんてマイナーな選択なんだろうとびっくりしてしまいます。それと、彼とママと娘さんはウガンダで開発している学習センタ―を運営し、そこでは様々な場所や人々からインスピレーションを得ているのですが、福岡正信さんの「わら一本の革命」にも影響を受けているとありました。やはり只者ではない家族でした。

 彼らの事業のサイトには、「私たちは環境活動と開発プロセスをより深く開発、促進、およびそこから学ぶための取り組みの両方における持続可能性に焦点を当てた、学習に対する独自のアプローチをとる学習センターです。インスピレーションにあふれ、遊び心にあふれ、斬新な共同スペースにご参加下さい。そこでは楽しさ、社会資本、伝統的な知識、革新を通じて、私たちは互いに支え合い、永続的で関連性のある変化の担い手としての学習の旅を続けています。私たちは、貧困、気候変動、食料安全保障、持続可能性、ジェンダー平等など、複雑なグローバル・ローカルな課題を協力して伝え、解き明かすことを目指しています。思い描き、考案し、計画するためのスペースを提供することで、お客様をソリューション(解決)の中心に据えます。あなたが庭に入る時、あなたは没入型の学習の旅の参加者となり、、あなたの心を目覚めさせ、観察して反映させるだけでなく、それがあなたの人生、家族、またはあなたのコミュニティ、さらにはあなたの国や世界であろおうと、変化を起こすための目的意識と、コミットメントをあなたに植え付けます。人々、新しいアイディア、モチベーション、願望とつながって、あなたはそれを実現するつもりで庭から出てきます!」とあります。成人教育とコミュニケーション&開発開発の研究をして来たパパ、経済学と哲学の学士で開発評価の研究をし、もと連邦事務局の戦略、評価、学習の責任者のママ、もう超能力のある方々です。

 地質学者、ホワイトハウス関係の方、最近もしかして有名な外国人なのかしらと思われるゲストもいるのだけれど、私は相変わらず着物を着せるのに奮闘していて、正直に言うとウガンダ家族さんはなかなか着物を似合うように着せられず、暑かったので柴又へはいけなかったけれど、行ったら行ったで難しいシチュエーションになるところでした。とても難しい、ママが頭にターバンのようにヘアバンドを巻いて着物を着て写真を撮ろうとしたら、どうしてもフィットしないと泣き顔になり、パパが慰めるシーンがあったのだけれど、本人にもどうしても違和感があった、でもそれは着物だけの問題ではない気がします。

 壮大なプロジェクトを読んでいてすごいなと思いながら、でもどうやってもてなしていくのだろうとか、本心から出たアイデンティティなのだろうか、彼らでなければできないものだけれど、パパの感性は独特だから異色のものと結びつくと面白いのかと思ってしまいます。私が好きなエドワードホッパーをパパも好きだそうで、デンマークに似たような絵を描くヴィルヘルム・ハマスホイを教えてくれました。知らないでメールのやり取りをしているけれど、なんだか複雑ですごい人です。いつかウガンダへ行って、彼らのプロジェクトを見てみたい、お土産に娘さんのレイチェルの好きな禰津子のドロップを持って。