ONEOFEACH

 南アフリカからのゲストは別れ際に黒地にカラフルな商品の写真が載っている名刺を置いて行ってくれました。ゲストのことは予約をもらった時点でのプロフィールの情報でしかわからないので、どんな方なのか知らないで4時間一緒に過ごし、後で頂くサイトやインスタを見て随分活躍しているんだと気が付くのです。ウガンダにいるデンマークパパにしても、帰国後何回かメールのやり取りをしているうちに、今家族であるプロジェクトに取り組んでいることを教えてくれ、感心しつついつかそこへ行って見たいと思うのですが、今回このファッションデザイナーが置いて行ってくれた名刺で解った彼女たちの会社のポリシーに強い感銘を受けました。

 私は会社経営について全く無知なので、会社員の子供たちの話についていけないのだけれど、今ワクチン問題で注目を浴びている会社の社長が高校の同級生だったこともあり、トップに立ち会社を仕切っている人物の人間性や倫理観が、世界の情勢を変えてしまうこともあるということを感じ、いかに利益を得るかという経営論の前に、いかにコマーシャルをうまく行って評判を得るかという戦略の前に、自分達が作り上げて売ろうとしているものが安全で正しくてまがい物でなくて、人々を喜ばせ救うものであるという大前提が、当たり前の用に必要なのです。神の前で自分は正しいと言い切れるか、自分の存在をかけて目の前の人を救えるのか、そんな最も大事なことを否定し、考えられないような人間は、やがて大渦巻きの中に呑みこまれてしまう。そういう事態が目の前に繰り広げられている今、この時に、遠い南アフリカで母娘が立ち上げたファッションブランドと、うちに寄せられてきた沢山の黒留袖の着物が結びついたのです。

 二人のポリシーが書かれた文章は、神の啓示のようです。

     ONEOFEACH(ブランド名)はケープタウンを拠点とするファッションブランドで、母娘デュオはデザインに対する情熱と社会貢献への取り組みを共有し、民族の伝統と現代スタイルの融合を称える独特のブランドを生みだした。娘さんはトップマガジンでのファッション小売りとスタイリングの経験、および消費者科学と小売りファッション管理のバックグラウンドを持ち、その後の銀行業務と資産管理でも彼女のキャリアは、ビジョンを成功するビジネスに変える上で重要な役割を果たした。ONEOFEACHでは、すべての作品がユニークな芸術作品で、エスニックプリント、ビーズや刺繍の装飾、革の切れ端を使用することで有名で、スタイリッシュであると同時に個性的なアイテムを生みだしている。そしてクリエイティブな本物志向の精神を取り入れ、現代の繊維と伝統的なアフリカ風のテキスタイルを組み合わせ、それぞれの作品が独自のストーリーを語れるようにしている。

 独占性と個人定な繋がりを維持するため、スタイルとサイズごとに限定数量を生産しているが、このブランドの謙虚な始まりの中心にあるのは持続可能性で、主に切れ端素材を使用することで、廃棄物の削減と天然資源の保護に取り組んでいる。彼女たちのビジョンは、知恵、革新、現代のファッショントレンドを融合したもので、それらが彼らが作り出すすべての製品に表れている調達した各生地からインスピレーションを得て、独自のアイデンティティとストーリーを持つユニークな作品を生みだしている。

 

 

 持ち帰った日本の伝統的な重厚な黒留袖からどんなインスピレーションを得て、独自のアイデンティティとストーリーを持つユニークな作品を作り出していくのでしょうか。 私たちはこういうことをして行かなければならないのです。